茶道をたしなむ奥様の思いをカタチにした住まいと茶室が一体化した空間が実現。デザインの提案は茶室風ではなく本格茶室。限られたスペースでの茶室作りには技術とセンスが問われるため、最高の茶室を表現できるかを妥協することなく追求した。
水屋は天井に屋久杉の変木を使用し、落とし掛けには独特の削り痕を残す日本古来からの加工技術である栗のなぐりの技術を用いた。
また、茶室の一崩し天井を構成する小丸太の融合など要所要所は経験豊富な大工が手掛けた。玄関ホールを「真」、4畳半の茶室を「行」、水屋を「草」として設計し、それぞれの空間への移動の変化も楽しめるのも特徴。現代建築と数寄屋をうまく融合させた家づくりは、茶室を多く手掛けてきた建築工社ならではの一軒となった。